ヨガの処方箋~④太陽とともにある暮らし

2014年6月24日

IMGP1190こんにちは、ひきつづきポーランドの大草原から、
フィットネスコラム担当のクディウク麻衣子です。

こちらでは日を追うごとに日が長くなっています。
夏至には日の入りが午後10時前後になります。
ポーランドの夏は短いですが、1日が長いのでみな陽気に外で過ごします。

反対に冬は日照時間がとても短く、外にもあまり出られないことから
心がしっかりしていないとすぐ鬱になってしまうそうです。
そのためか太陽は希望の象徴、歌や詩にたくさん登場します。

太陽はわたしたちの生きる源ですから、この星のどこの国でも崇拝されますが、
タイの様な赤道直下の国では、年中暑いので過ごしやすい曇りの日を「いい天気」と言い、
太陽に対する日常的反応の度合いは北の人ほどではなくなります。

では日本はというと太陽を国の名前にしてしまうくらい大事にしていますよね。
それは巧みに言語や文化の中に表現されています。

少し昔の表現ですが「お天道さま」という言葉は太陽をさすだけでなく、
その向こうにある生きる力、摂理すべてを含んだ大きな力を現しています。
今でも何気に使う「お蔭さま」は、お天道さまが射した結果現れたもののことです。

ヨガにこれを当てはめてみると、わかりやすい。
プルシャ(すべての源)=お天道さま
プラクリティ(源から現れた世界)=お蔭さまとなります。
サンスクリット語とその訳だとわたしたちの日常から遠い感じがしますが、
こうしてみると万国共通の捉え方が見えてきます。

ところでこのお天道さまという言葉、さきほども昔の表現と言ったように
現在ではあまり聞かれなくなりました。
というのも実はわたしたちの思い上がりの表れではないでしょうか?
お陰さまという言葉は未だに良く使うのは誰か人間のお陰というときだけです。
お天道さまはどこに行ってしまったのでしょう?

太陽のリズムを無視した生活で起こる不具合のことを生活習慣病と言いますよね。
暗くなってから食事をとると消化するのにもっとエネルギーが必要です。
夜遅く寝て翌朝起きられないと、外は既に温まっているのに体はまだという、
リズムに乗り遅れた状態で一日がはじまり、とても疲れてしまいます。
これでオフィスでパソコンと一日中向き合って外に出ず、
休日は疲れ果てて寝てすごすとなるとお天道さまはどこにいるのかわかりません。
結果なんだか心も体もだるくすっきりしないのです。

伝統的なハタヨガでは、朝のアサナで太陽にご挨拶をします。
これがスリヤナマスカール、太陽礼拝と呼ばれ、アサナ(ポーズ)の基礎となります。
スリヤが太陽でナマスカールはナマステと同じでお辞儀をするという意味です。
呼吸にあわせてスリヤナマスカールをすることで、
朝、お顔を出したばかりの新鮮なお天道さまの光を浴びて、
夜の間にしっかり休んだ植物たちから新鮮な酸素をいただきます。
新鮮なエネルギーがたくさん体に取りこまれ、体はエンジンをかけます。
考えただけでも気持ちがいいですね。

a0006_000456人間も野菜と同じで太陽を浴びるとビタミンが生成されますし、
朝の太陽光を見るとセラトニンが分泌され、
暗くなると自然に眠くなり快眠を呼ぶと言われています。

科学的な解釈があるとより納得いくようですが、
それよりこの気持ちの良さを日々味わうことが大事です。
この感性が育つことで自然とお天道さまに感謝が湧き上がってくる
というのが心のメカニズムです。
頭で考えすぎてしまうと、かえって素直な気持ちは台無しになってしまい
感性は養われず、三日坊主になってしまうのです。

人間には生を保つために2つの性質があります。
ひとつは快楽を求めること、もうひとつは惰性です。

ふたつともあまり聞こえのいいものではありませんが、
ニュートラルに見ると、良し悪しは使い方次第です。

人間は快楽を求めますから、気持ちがいいと感じることが習慣になり、
惰性は癖のことですから、心地良いルーティーンが続くと癖となり、習慣になります。

反対にこの感覚が養われないと、自分の望まないルーティーンが惰性として生まれ、
それに対する反動として気持ちがいい感覚を刺激として過度に求めてしまいます。
これでは心が疲れていくばかりです。

自然と共に生活していれば、考えるまでもなく本能がその方向へと導いてくれるのですが、
現代人は自然から遠のいて、本能が混乱しやすい環境に生きています。
わたしたちはコンパスが壊れて遭難した船のようなものです。
それを知らせるために、体はいろんな形で悲鳴をあげはじめます。

わたしたちは体調不良になるとその部分だけ治そうとしますし、その時だけ治そうとします。
再び症状が現れても、またその部分を治そうと繰り返すだけです。
体は本能の乱れを部分を通して表しているのに、現れた表面だけ見ては解決になりません。

コンパスとしての本能、感じる力を養い、整えてあげることが健康の鍵です。
そのために必要なのは努力や辛い思いではなく、陽だまりのような心地がいい思いなのです。

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